2018/05/12公開 ニュース

『仮面ライダービルド』挿入歌第2弾「Evolution」のレコーディング風景は? 苦労したエピソードなど裏話も

テレビ朝日系『仮面ライダービルド』挿入歌、第2弾楽曲「Evolution」。前作同様、劇中を盛り上げるために結成されたプロジェクトによる楽曲である。

プロデュースしたats-、清水武仁、渡辺徹は、これまで浜崎あゆみ、Every Little Thing、倖田來未、鈴木亜美、AAAなど名だたるアーティストばかりを手掛け、日本レコード大賞各賞のべ13回受賞、関連作品CD総売上枚数4000万枚以上のセールスを記録したスーパークリエイターたちだ。

また、この曲を歌うのは、「次世代ユニットX21」から選りすぐられたメンバーによるスペシャルユニット「AXL21」だ。その顔ぶれは、メインとなる田中珠里、末永真唯の2人に加え、松田莉奈、長尾真実、籠谷さくら、川口ゆりなの計6名の“固定メンバー”。そこへ今回は、山木コハル、門垣ひかるの2人が加わった。

様々な歌い方に苦戦する場面もあった

今回はレコーディングの様子について触れる。まず最初に、前回とはどんな違いがあったのだろうか。歌のメインを務めるAXL21の末永と田中に話を聞いた。

「力の使い方が違いました。『Ready Go‼ 』は出だしの勢いがすごく大切で、滑舌良くはっきりした言葉で相手にぶつけるように強さを表現しました。『Evolution』は光と影が1曲の中に詰まっていてその変化をいかに表現するか、影の部分ではカッコ良く低く歌うことを、光の部分では強さの中に優しさを感じさせる歌を意識しました」(田中)

「この曲は曲の中での変化が多くて1曲の中でいろんな歌い方や声の表情、リズムの取り方があって少し苦戦もしました。また、前半で少し悪い雰囲気を出し、後半で戦兎やリスナーの方に何かを伝える様なイメージを意識した歌い方をするのもこの曲ならではだと思いました」(末永)

と、このように語る二人。それぞれ工夫したポイントもあったようだ。
「歌のラストの部分にソロパートがあるのですが、本当に伝えたいメッセージが詰まってる1文だと私は思ってて、責任重大だという思いがありました。『君の心が求めるなら 手を伸ばせ Just movin’ on』という歌詞なので、聴く人が本当に、自分の心が求めるから手を伸ばすっていう行動がとれるように、勇気付けるというか、押し出す、という想いを込めて歌いました」(末永)

「常にノートを持ち歩いているのですが、レコーディングではこれまでずっと書いてきたので書かないときはありません。最初に歌詞を書きながら覚えて、声に出して読んでその意味を理解して気持ちを表すところには線を引いて風景が浮かんだ場所にはそこに当てはまる自分の思った風景を書いて、、、みたいにしています。表情によって声も変化して歌えるので、笑うとか、泣くとか、怒るとかいろんなこと、思った言葉全部書いてます。いろいろ書きすぎて本当の歌詞どこ??ってたまになっちゃいますけど(笑)」(田中)
そして、前回に引き続き、彼女たちはミックスにも参加。そこでも前作との違いを感じたようだ。

「前回よりもダークな感じで、『Ready Go!!』とは違った種類のカッコイイを感じました。前半ではスクラッチ音なども入っていて、悪っぽい感じがすごくでているなと思いました。『Ready Go!!』よりもずっしりとしたイメージを持ちました。前半部分と後半部分の違い、裏と表の表情の変化がこの曲の聴きどころの一つです」(末永)

「想像していた以上にすごく素敵にしていただいて、、本当に幸せです。今回の曲は感情をすごく揺さぶる曲だなと感じています。ライダーが戦うシーンや友情を育むシーン、一つ一つのシーンがこの曲を通して感じられると思います。歌の世界ってすごいなと改めて感じました」(田中)

スーパークリエイターたちと共に音楽作りをすることで、着実に成長を遂げたAXL21メンバーたち。その成長の結果が今回の楽曲で確かめられるだろう。そしてもちろん、彼女たちの素晴らしい歌唱力やアイディア、想いが詰まった歌にもぜひ注目したい。

AXL21がアーティストとしての勘の良さを見せたレコーディングだった

冒頭でも触れた通り、ats-、清水武仁、渡辺徹のクリエイター陣はこれまで名だたるアーティストを手掛けてきたわけだ。そこで気になるのが、そんなスーパークリエイター陣から見て、AXL21メンバーはどんな風に映ったのだろうか。

「前回の『Ready Go!!』とは正反対の楽曲でしたが、『Evolution』で表現したい世界観をしっかりと表現してくれたと思います。今までの活動の中で『Evolution』の様なダークな楽曲は経験なかったかと思いますが、我々のアドバイスを的確に理解・表現してくれるなどアーティストとしての勘の良さを見せてくれました」(渡辺)

「悪(前半)と正義(後半)の演じ分けに苦労しつつも、いろんなチャレンジのリクエストにも積極的に、むしろ楽しんで対応してしっかり演じていたのが印象的でした」(ats-)

「ミックスは田中さん、末永さんともに興味深そうな様子が印象的でした、歌録りもAXL21の彼女達はライダー挿入歌としてこちらがプレゼンテーションしたいサウンド感を理解して臨んでくれているのでスムーズに進行しました」(清水)

と、クリエイター陣の言葉からすれば、AXL21はアーティストとしてしっかりとした“力”を持っていることが分かる。そして彼らは、レコーディングにおいてやはり楽器にもこだわりを見せた。

「『Roland JV-2080』という’90年代多くの楽曲に使われ一世風靡したラック式デジタルシンセを使用しました。特有の奥行きとハードならではの質感と空気感が強いシンセです。今回の曲ではアンプシミュを掛けアグレッシヴで目立つ使い方をしています」(ats-)

「楽器構成は割とノーマルなのですが、サビ前のフランジング箇所の仕掛けはミックスの森元浩二.さんが手掛けていて楽曲のちょっとしたスパイスになっていると思います」(清水)

「とてもポピュラーな機材ですが、KORGの『TRITON-Rack』、Rolandの『JV2080』といった名機の音色を現行のソフトウェアシンセと共に鳴らしています。『Ready Go!!』ではソフトとハードをレイヤーしましたが、『Evolution』では別々のフレーズを担当させています。ハードシンセに関してはなるべく色付けない状態でDAWに録り込み、後からプラグインで調整・加工しています」(渡辺)

こうして臨んだ今作のレコーディング、実は苦労したこともあったというので最後に紹介したい。

「前半はリズム&ギターリフ主体、後半からはブライトなシンセ主体になり、途中から楽器の主役が代わるような構成になるためテンション感の繋がりや耳触りの自然さに苦労しました」(ats-)

「これまでのインタビューでお話していたクラウドを立ち上げた段階で同時期に作っていた曲ですが、こちらの曲が仮面ライダーエボルの曲になると決定した時点ではモチーフのみでサビなどがありませんでした(笑)」(清水)

「前回もお話した通り、シンプルなフレーズで構成している楽曲ですが、ところどころにギミック的な処理を施して飽きない展開を生み出しています」(渡辺)
スーパークリエイターによる力作ともいえる今作「Evolution」。4月29日『仮面ライダービルド』第33話(9:00〜9:30)でオンエアされた。その後はまだ未確定とのことである。

なお、この曲の発売などについてはまだ未定だが、今後の『仮面ライダービルド』のオンエアまたはX21のイベントやライブでいち早く聞けるかもしれない。

<楽曲情報>
『Evolution』
作詞:森月キャス,Mio Aoyama
作曲・編曲:ats-,清水武仁&渡辺徹
Sound Produce:avex management,岩渕優輝
歌:ats-,清水武仁&渡辺徹 Feat. AXL21

Vocal:田中珠里、末永真唯、松田莉奈、長尾真実、籠谷さくら、川口ゆりな
   山木コハル、門垣ひかる(fromX21)
Chorus:ats-,実谷なな&桑谷実沙

Keyboards & Programming:ats-
Guitars & Programming:清水武仁
Keyboards & Programming:渡辺徹

Synthesizer Coordinator:岩佐俊秀
Recording Engineer:岩田祐資(prime sound studio form)
Mixing Engineer:森元浩二.(prime sound studio form)


【X21 avexオフィシャルホームページ】http://avex.jp/x21/
【X21 公式Twitter】https://twitter.com/x21jp?lang=ja

【仮面ライダーavex SOUND WEB】http://mv.avex.jp/rider_sound/
【仮面ライダービルド公式HP】http://www.tv-asahi.co.jp/build/
              http://www.toei.co.jp/tv/build/

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