2020/11/20公開ニュース

マネキン・ラップ・デュオ『FEMM』がE.P.「404 Not Found」を本日リリース。『Weirdcore』が監督を務めた「Peach」のミュージック・ビデオを公開！

代表曲「Fxxk Boyz Get Money」が、痛烈なメッセージを持つガールズ・アンセムとして、アメリカのティーンらに支持されると、瞬く間に、ヨーロッパや南米、そして、アジアへと世界的なインフルエンサーを含むエージェント（FEMMのファンの呼称）に拡散。結果、デビューアルバム『Femm-Isation』は、全米ビルボードチャート「World Albums」で、TOP10入りを果たすなど、フィメール・ラップ・シーンの新時代を切り拓いた『FEMM』。

10月以降、彼女たちのオフィシャルWEB-SITEにアクセスしても「404 Not Found（お探しのHPは見つかりません）」というエラー表記が出る状態が続いたことで、ファンらがその意味を予想する動きがあった。

数週間に渡る沈黙を破り、久々の新曲「Level Up feat. Duke of Harajuku」を突如発表すると、11月20日（本日）に、同曲を含む、その名もまさに「404 Not Found」という６曲入りのE.P.をリリースすることが発表された。

FEMMは、このタイトルに「どこを探しても（まだ）存在しない真新しい音」というメッセージを込めたと言う。

本日、そのE.P.からのリード曲『Peach』のMusic Videoが公開された。
FEMM / Peach (Music Video)
https://youtu.be/5RBmZouTLcY

via www.youtube.com

FEMM - Peach (Music Video) Prod. Danny L Harle / Radical Hardcore Clique

こちらの楽曲は、バブルガムベースを世に知らしめたUKのレーベル「PC MUSIC」の立役者の一人で『Charli XCX』や『Rina Sawayama』などを手掛ける『Danny L Harle』と、ジャパランタ（雅楽+トラップ）の旗手『Radical Hardocre Clique』の共同プロデュースによる楽曲。

FEMMが追い求めたダークかつメランコリックなトラックは、最後には信じられないほどカオスな状態に展開し、聴く人をかつてない世界へと誘うサウンドとなっている。

この世界観を映像化するにあたり、ディレクションを行ったのは『Aphex Twin』のビジュアル・コラボレーターとしても名を馳せるロンドン在住の映像作家『Weirdcore（ウィアードコア）』。これまでに『M.I.A』『Radiohead』『THE HORRORS』など数多くのトップ・アーティストの映像を手がけ、最近では『The 1975』ともコラボレーションを行なった。日本では『Aphex Twin』が、2017年の『FUJI ROCK FESTIVAL』に出演した際、当時トレンドとなっていたリアルな会見の映像や時事ネタ満載の（現在で言うところのミーム的な）コラージュVJが大きな話題を呼んだが、その見事なまでの弾けっぷりも彼の手腕ならでは。プロデュースは、かねてより親交の深いコレクティヴ『BRDG』によるもの。

今作でも、そのシュールな世界観はFEMMカラーで踏襲しつつ、歌詞に登場する "Peach” と “Cream” からインスパイアされたヘアメイクが独創的なデザインの3Dアバターを用いたダンス映像は、音源の先鋭ぶりに違わぬ、未来のデジタルツインを示唆するようなアヴァンギャルドな作品に仕上がっている。

常にFEMMの音楽性やメッセージの根底にあり続けた『ダーク・ポップ』が、『Ashnikko』『Bllie Eilish』『Grimes』などを筆頭に世界のミュージックシーンを牽引する中、今作でも激しく荒れ狂うインダストリアルなトラックと、その上を這い回るような過激なラップは、決して、そのトレンドを追い駆けるようなものではなく、FEMMが志向する全く新たな音楽体験をもたらし、心に未曾有の感情を産み付けるような作品となっている。

プロデューサーには、『DaBaby』や『Lil Uzi Vert』を手掛けた『Star Boy』をはじめ、FEMM自身がそのサウンドに惹かれオファーした『Diana Chiaki』や『YUA』ら、日本国内の女性トラックメイカーも参加。他にも、日本のベース・ミュージックの雄『HABANERO POSSE』、日本のヒップホップ・シーンの今に欠かせない『KM』など、多彩な才能が集った。

人と機械、国境や言語、あらゆるボーダーを溶かすような “まだこの世界にはなかった世界” に、是非、触れてみて欲しい。