2018/11/02公開 アーカイブ

斎藤誠、超豪華メンバーとデビュー35周年ライブ!

斎藤誠、超豪華メンバーとデビュー35周年ライブ!

今年でデビュー35周年を迎えた斎藤誠が10月20日、「斎藤誠 ポップロック35周年ツアー!! ~秋は三種の味わいで~ in 東京」を、東京・渋谷のライブスペース「duo MUSIC EXCHANGE」で開催した。



東京、名古屋、大阪の3都市を巡る今回のツアー。初日の東京公演では、成田昭彦(パーカッション)、深町栄、片山敦夫(共にキーボード)、角田俊介(ベース)、河村”カースケ”智康(ドラム)、柳沢二三男(ギター)という超豪華メンバーと共に、新曲を含む全21曲を披露し、デビュー35周年を自ら祝った。

35年の活動を総括した、豪華セットリスト!

白シャツ、青い帽子という出で立ちで登場した斎藤。ステージ中央に立ち赤いエレキギターを掲げると、手始めに1998年のナンバー「Sign」を披露した。メンバーも斎藤に続く。観客は待ちわびていたかのように、耳だけでなく体全体をステージに傾ける。ステージ上の7人が作り出した世界に、会場全体が染まり切るまでにあまり時間はかからなかった。



1曲目の演奏が終わると、間髪入れず、斎藤のギターカッティングから「眠らない僕の想い(レゲエver.)」へ。2002年のバラードがなんとレゲエに。ゆるやかなメロディーが会場を覆っていく。7人は淡々と演奏をする。音が鳴り止むと斎藤が口を開いた。「こんばんは! 35周年ですって。次々といろんな時代の曲をやるので、最後までよろしく!」



そう、この日は、デビューした1983年に発表したナンバーから今年発表したナンバーまで、幅広い楽曲を披露。35年間を総括するようなセットリストだった。「曖昧な恋人」(1998年)、「君に贈る僕のラブソング」(2002年)を続けざまに演奏した7人。アコギに持ち替えていた斎藤はMCで次のように切り出した。



「今年の1月3日に(ライブで還暦を)お祝いしてもらったんだけど、この10月でデビュー35周年を迎えました。先日たまたま1980年台の自分の映像を見たんだけど、力んじゃってすごくカッコ悪いの。恥ずかしくて途中で止めちゃった(笑)」と、自身の活動を振り返るかのように語った。

超豪華メンバーによるハイレベルなサウンド

今回のライブで特に光っていたのは、7人の超豪華メンバーによるハイレベルな演奏だった。30年以上同じこのメンバー。誰が見ても「とにかく格好良かった」最高のライブ、そして「楽しい&ハッピーなムード」だったことは間違いない。



それが顕著にあらわれたのは後半。前半は、大人な雰囲気漂うクール・ナンバー「Change it」や、ラブ・バラード「君への想い」、ポップテイストなメロディーが特徴的な「WOO BABE」。そしてラストを飾った「幸せの準備」など、基本的には斎藤はアコギでポップに演奏し、軽やかに歌い上げた印象だった。その一方で、後半は、斎藤は全曲エレキギターで臨んだ。



1部が終了し休憩を挟んだあと、グレーTシャツに黒帽子で再びステージに姿を現した斎藤。まずはアルバム『WOMEN』(1988年)収録の楽曲「DIRTY THIRTY MAN」で熱い演奏を見せつけると、今年発表したばかりのナンバー「It’s A Beautiful Day」を披露した。新旧の名曲がステージで披露されるなか、斎藤は淡々とクールに、でもどこか熱く、演奏と歌をこなした。



メンバー6人の演奏も非常に熱かった。懐かしのナンバー「いつもの顔で」(1stシングル=1983年)まで、淡々とクールに、時に陽気に演奏した。「いつもの顔で」を発表した際、斎藤は26歳だったわけだが、楽曲自体にどこか青臭さが残る一方で、“大人の熱さ”が入り混じったこの日の「いつもの顔で」は、とてもアグレッシブで観客の目頭を熱くさせた。



ステージの上の7人は、「自分たち演奏を見てほしい」と言わんばかりに、一気に最後まで駆け抜けた。その表情には常に笑顔が見られ、楽しい&ハッピーなムード満載だった。会場のファンたちは、斎藤のこれまでの数々の名曲を目の当たりにし、デビュー35周年を彼らと共に祝したことだろう。

35年の活動を超えた、ハッピーな新曲を披露!

ライブもいよいよ終盤。会場は「いつもの顔で」で最高の盛り上がりを見せていた。斎藤はメンバー紹介をし、締めにかかる。「35年もやれて本当に感謝です。ここで本編は終わるはずだったんだけど、4日前、リハーサル前日に『新曲やっていい?』ってみんなに連絡して……。」 

そう言って演奏し始めた新曲のタイトルは「純愛模様」。斎藤は「胡散臭く、殺伐としている世の中。その中で一番大事なのは、ピュアなラブです」と補足説明する。その言葉の通り、ピュアで軽快でポップなナンバーに仕上がっていた。ステージはより楽しく&ハッピーな雰囲気に包まれた。



今回のライブを通じて、35年間の様々な思い出が蘇るなかで、「純愛模様」は本当に新鮮だった。ポップで心地よい曲調は、まるでこれからの自分たちを歌っているように思えた。今年1月には還暦を迎え、10月にはデビュー35周年を迎えた斎藤。そんな経歴をまったく感じさせないピュアであどけないナンバーだった。曲を演奏し終えると観客はステージに向かって大きな拍手を送った。その拍手はいつまでも鳴り止むことはなく、会場全体は和やかで笑顔がいつまでも絶えず、ハッピー満載だった。

今後の斎藤の“MUSIC LIFE”に注目したい

アンコールが鳴り止まない中、白Tシャツ&赤帽子で登場した斎藤。続いて、成田、柳沢、角田だけが登場した。成田はこれまで河村が座っていたドラムの席に座る。斎藤はアコギを担ぎ、4人だけでさっそくアンコールステージを開始する。そして披露したのは、今年発売したばかりの楽曲「MUSIC LIFE」だ。



4人による音数を絞った演奏。「愛してるとか 恋してるとか 今日も明日も歌っている」という“日常”的な歌詞と、ポップで軽やかなメロディーによって、この日一番のハッピームードに包まれたように思えたが、逆に「これからもこういった日々を過ごそう」という、ある意味彼らの“決断”のようにも思えた。



曲が終わると、深町、片山、河村も登場し、河村はパーカッションの席に着いた。斎藤が「演奏したい曲」と言って演奏し始めたのは、1月のバースデーライブでも披露した新曲「荒野のダンステリア」だ。明るく、ポップなディスコ・ナンバーは、会場を陽気なムード変えた。



演奏を終えると、「今年中にアルバムは間に合わなかった」と詫びた斎藤。しかし、すぐさま顔を上げて「これからもよろしく!」と会場に伝えると、観客も「付いていく」と言わんばかりに拍手で応えた。そして、デビュー・アルバム『LA-LA-LU』から「アメリカよいよい」をラストに披露した。



1983年10月21日、アルバム『LA-LA-LU』でデビューした斎藤誠。それから35年。最高のセットリストと最高の演奏でこれまでを総括、いや、むしろ超える“宣言”をしたかのような、ハッピームード満載の一夜となった。観客のこれでもかという大きな祝福の拍手を受けた斎藤は、次にどんな音楽と“MUSIC LIFE”を見せてくれるのか。35周年を祝うライブはこうして幕を閉じた。

斎藤誠 ポップロック35周年ツアー!! ~秋は三種の味わいで~ in 東京

1st Set

1.Sign

2.眠らない僕の想い(レゲエver.)

3.曖昧な恋人

4.君に贈る僕のラブソング

5.I’m just an APRIL FOOL

6.Change it

7.君への想い

8.WOO BABE

9.幸せの準備



2nd Set

1.DIRTY THIRTY MAN

2.It’s A Beautiful Day

3.HOLDING ON

4.B.L.T

5.HELP ME, NIGHT

6.SO COLD,THAT WOMAN

7.もいちど添い寝

8.いつもの顔で

9.純愛模様(新曲)



EN1.MUSIC LIFE

EN2.荒野のダンステリア

EN3.アメリカよいよい

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